かがくてきけんきゅうとたんていしょうせつ
初出:「新青年 三巻三号」1922(大正11)年2月
書き出し
私は幼い時分から探偵小説が好きで、今でも相変わらず読みふけっている。いつ読んでも面白い。ポーや、ドイルや、ガボリオの探偵小説は常に自分の座右に置かれてある。何度繰り返し読んでも面白い。紐育に留学していた時分は週刊の探偵小説雑誌を買って、毎夜床に入ってから夜更けまで読んだ。ある時ハドソン河を隔てたジャーセー市に殺人事件が起こった。犯人は久しい間検挙されなかった。するとある日の紐育タイムス紙の論説欄に…