ゆきのうえのあしあと
初出:「新潮」1946(昭和21)年3月号
書き出し
主やあ、どこへ行ったかと思ったら、雪だらけになって帰って来たね。学生林の中を歩いて来ました。雑木林の中なぞは随分雪が深いのですね。どうかすると、腰のあたりまで雪の中に埋まってしまいます。獣の足跡が一めんについているので、そんな上なら大丈夫かとおもって、足を踏みこむと、その下が藪になっていたりして、飛んだ目に逢ったりしました。主君と、兎なんぞが一しょになるものかね。それに、もういくぶん春めいて来てい…
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