なぞのかみきず
初出:「女性」1925(大正14)年7月
書き出し
一これも霧原警部の「特等訊問」の話である。銀座四丁目に、貴金属宝石商を営んでいる大原伝蔵が、昨夜麹町区平河町の自宅の居間で、何ものかに殺されたという報知が、警視庁へ届いたのは、余寒のきびしい二月のある朝であった。霧原警部は、部下の朝井、水野両刑事と警察医とを伴って、直ちに自動車で現場調査に赴いた。大原の邸宅は大震火災直後バラック建になっていて、石の門柱をはいると、直径十間ばかりの植込みを隔てて右手…
19双之川喜41さんの感想
大正時代の 探偵ものとして この小説は 構想がよく練られていると感じた。 糖尿病に伴う 性的不能 そして フェチズム 噛み傷を作る細工の巧妙さは大したものであると思った。