青空文庫

「心中浪華の春雨」の感想

心中浪華の春雨

しんじゅうなにわのはるさめ

岡本綺堂33
下町風土孤絶歴史的人物の描写死の受容叙情的回顧的悲劇

書き出し

一寛延二己巳年の二月から三月にかけて、大坂は千日前に二つの首が獄門に梟けられた。ひとつは九郎右衛門という図太い男の首、他のひとつはお八重という美しい女の首で、先に処刑を受けた男は赤格子という異名を取った海賊であった。女は北の新地のかしくといった全盛の遊女で、ある蔵屋敷の客に引かされて天満の老松辺に住んでいたが、酒乱の癖が身に禍いして、兄の吉兵衛に手傷を負わせた為に、大坂じゅう引廻しの上に獄門の処刑

2021/07/16

阿波のケンさん36さんの感想

心中物、大工の丁稚と廓の稼ぎ頭の女との組み合わせだがやはり人情に絆される。

2017/01/20

57a66ca92fc4さんの感想

気の弱い身寄りのない男と分別のある慎ましい女の悲恋もの。父親だけは自業自得だが、なまじ子に見せた情が男にとって仇になった。ふっと気が抜けた瞬間に死んじゃおっか、と流されて心中してしまう二人。誰も救われない話がこの作者、意外と多い。淡白な描写なので読後感は悪くないです。

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