パイプについてのざつだん
初出:「帝国大学新聞 第三百五十七号」1930(昭和5)年10月27日
書き出し
この二三日、咽喉が痛くてしかたがない。どうも煙草の飮み過ぎらしいのだ。それで、愛用のパイプを口にくはへることも我慢してゐる。——だからといふのではないがひとつ、僕の古馴染みのパイプの惡口でも書いてやらうかと思ふ。※僕の愛用のパイプといつたつて、普通のブライヤアのやつで、ちつとも自慢するほどのものぢやない。何しろ、これを買つたのは、まだ僕が一高の學生だつた時分のことだ。その頃、僕のほかにもう一人、僕…