青空文庫

「「オルジェル伯爵の舞踏会」」の感想

「オルジェル伯爵の舞踏会」

「オルジェルはくしゃくのぶとうかい」

初出:「婦人サロン 第一巻第三号」1929(昭和4)年11月号

辰雄12

書き出し

これはレイモン・ラジィゲの小説だ。私はこの小説について語る前に、まづ作者ラジィゲについて一言したい。ラジィゲは一九二三年に二十で死んだ詩人だ。今生きてゐても私より一つ年上なだけである。そしてこの小説は十九で書いたのだ。彼はランボオのやうな「恐るべき子供」だ。しかし彼がランボオよりもつと驚かせるのは、さういふ「恐るべき子供」に特有な異常さが、彼には一寸も無いことだ。ラジィゲの才能は通常な風をしてゐる

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