青空文庫

「尖端人は語る」の感想

尖端人は語る

せんたんじんはかたる

初出:「新文藝日記」1930(昭和5)年11月17日

辰雄2

書き出し

尖端人は語る堀辰雄私は書かうと思つてもどうしても書けないやうな時がある。さういふとき私はへとへとに疲れ、そして書くことは何と馬鹿馬鹿しいことだらうなどと考へながら、私は公園へ散歩に出かけてしまふのである。すると公園の中で、私は子供たちが長いモチ竿をもつて蜻蛉を追ひかけてゐるのを見る。私には彼等の姿が羨しくてならない。もし出來たら、私も書くのなんか廢めてしまつて、彼等の仲間入りがしたい。それほど書く

1 / 0