青空文庫

「東京の風俗 序」の感想

東京の風俗 序

とうきょうのふうぞく じょ

木村荘八11

書き出し

「東京の風俗」といふ題名のもとに初めから一冊の本を書いたとすれば、又現在の本とは違つたものになつてゐたかと思はれますが、今全編の校正を終つて「東京の風俗」一本としてこの本を見ますと、題名に不釣合ひのものにはなつてゐなかつたことを感じます。この本の中の特に「東京の風俗」と大見出しにした節から成る書きものは、元「東京遠近」と題して週刊ものにつづけた文章です。東京遠近といふ言葉は生硬で意味の通りにくいこ

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