たちみのかなあみについて
書き出し
立見の金網図は「木下杢太郎」こと太田正雄氏の写生画を借りるものであるが(小生模写)、遺憾のことには画中に日附もなければ、場所のかき入れもない。写生の日附は恐らく明治四十年見当であらうし、場所は市村座か新富座か、多分新富座であらう。いふまでもなく立見場の即写であるが、今僕にとつてこの絵の一番の重要性は、この絵に写してある、金網の目の大きさである。これもいふまでもなく、当時の芝居の立見場、一幕見には、…