こんなふたり
初出:「女性」1927(昭和2)年6月
書き出し
一人は太古からかれない泥沼の底の主、山椒の魚でありたいといひ、ひとりは、夕暮、または曉に、淡く、ほの白い、小さな水藻の花でありたいと言ふ、こんな二人。一人は澎湃奔放たる濁流を望み、ひとりは山影の苔清水をなつかしむ。『水清ければ魚すまず、駄目だよ。』『そのかはりに月影が澄む。』山椒の魚たる主人と、清からんとして、山椒の魚の住みにくいのを忘れてしまふ私との問答。良人操縱なぞ夢にも知らず、正直まつぱうを…
f818ac1e7885さんの感想
使う言葉が綺麗。あたまいいのがつたわる