青空文庫

「岸田劉生の日本画」の感想

岸田劉生の日本画

きしだりゅうせいのにほんが

木村荘八19

書き出し

これが森田恒友さんについての書きものならば、日本画とはいはずに水墨とするところであるが、岸田は「水墨」が似合ひでない。のみならず、岸田当人も絹紙に墨の仕事を特別の名で呼んだことがなく、たゞ日本画々々々といふ。森田さん風にこれを水墨といへば、これはまた言外に文人画の意味をこめてゐるやうである。その文人画の意味も岸田の場合には特別の匂ひにならない。八大山人風のモティフや石濤の仕事あたりを志して——仕事

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