青空文庫

「ノンシャラン道中記」の感想

ノンシャラン道中記

ノンシャランどうちゅうき

01 八人の小悪魔

01 はちにんのこあくま

初出:「新青年」1934(昭和9)年1月号

久生十蘭34

書き出し

一九二九年の夏、大西洋に面した西仏蘭西の沿岸にある離れ小島に、二人の東洋人がやって来た。質朴な島の住人が、フランス語で挨拶して見たら、相応な挨拶をフランス語で返すので、これは多分フランス人なんだろうと決め込んで、以来、多少の皮膚の色の曖昧さや、少し黒すぎる髪の毛の色には頓着しないふうであった。さて、この二人の東洋人が、この夏を過すことに決めた島というのは、大西洋の中に置き忘れられた絶海の一孤島であ

1 / 0