青空文庫

「人間製造」の感想

人間製造

にんげんせいぞう

初出:「ポケット」1924(大正13)年8月

国枝史郎29

書き出し

一大阪の町は寂しかった。夜はもう三時を過ごしている、つまり時刻は真夜中であった。其時一人の労働者が力の無い足どりで歩いて来た。「今日で俺は二日、飯を食わねえ、いつマア食物に有りつけるんだろう?一寸先ぁ暗闇だ。何時ありつけるか知れたものじゃねえ。と為ると生命の問題だ!へ、人間て云う奴ァ屹度恐らく此様時に盗賊根性を起こすんだろうぜ。何しろ生命の問題だからな。死ぬか生きるかの問題だ。盗みをしなけりゃ食う

2023/10/28

ハルチロさんの感想

題名からは、少々想像し難い内容の小説でした。関東大震災後、景気も下降傾向の時節柄、このような材料の小説が、大衆に好まれたのでしょうか。怪奇小説に類する本作品は、乱歩作品のようなグロテスクさは少ないものの、時代の闇を感じられます。内容的には、現代風にアレンジしたら、『世にも奇妙な物語』の題材として使えるかもしれません。

2021/04/17

b53e79cfe52cさんの感想

人の心臓狩りの話だがこう堂々とやってやってのけられると罪悪感が薄らぎますね。まあ奇っ怪なひとつの話。

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