青空文庫

「酔ひたる商人」の感想

酔ひたる商人

よいたるしょうにん

初出:「文章世界」1919(大正8)年7月

水野仙子33
下町風土社会疎外自己認識内省的軽妙鬱屈

書き出し

一東北のある小さな一町民なる綿屋幸吉は、今朝起きぬけに例の郡男爵から迎への手紙を受け取つたのであつた。それはいつものやうに停車場近くの青巒亭といふ料理屋からの使であつた。幸吉はこの朝早々の招待を、迷惑に思はないでもなかつたけれど、酒の味も滿更厭ではなかつたし、それに男爵から迎へられるといふ事が内心ひどく得意でもあつた。それですぐに參上致しますと口上で使をかへしてから、小僧を督して暖簾を掛けたり、品

2021/08/02

19双之川喜41さんの感想

 題名は そのままで  工夫も ひねりも 感じないけど  内容は ひとかたならぬ才能を感じるものであり  特に 深酔いした ふりをして 日頃は 口に できないようなことを 言ってのける 小技を 身につけた 幸吉の 処世術のくだりには 感心した。 酒には溺れず  泳ぎきってしまうのである。

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