青空文庫

「カイダイ」の感想

カイダイ

カイダイ

書き出し

四年の三学期であつた。国語の教生が来て、平家物語の重盛諫言のところを教へることになつた。教生といふのは今年卒業する大学部の学生の中から、一番か二番の人で、卒業後の練習のため女学校へ教へに来る人のことである。その時の国語の教生は、私たちが一年の時の五年生で、キツネさんと呼ばれてゐた市村先生であつた。キツネだと云ふので、あてられては大変と皆よく予習して行つた。いよ/\その時間となり、先生はすまして教壇

1 / 0