ディカーニカきんごうやわ ぜんぺん
05 五月の夜(または水死女)
05 ごがつのよる(またはすいしおんな)
書き出し
とんとどうも分らない!堅気な基督教徒が何かを手に入れようとして、まるで猟犬が兎を追つかけるやうに、あくせくとして骨を折つても、どうしても旨くゆかないやうな場合に、そこへ悪魔めが荷担して、奴がちよつと尻尾を一つ振らうものなら、もうちやんと天からでも降つてわいたやうに、ひよつこり望みの品が現はれてゐるのだ。一ハンナ高らかな歌声が×××村の往還を川水のやうに流れてゐる。それは昼間の仕事と心遣ひに疲れた若…