青空文庫

「ディカーニカ近郷夜話 前篇」の感想

ディカーニカ近郷夜話 前篇

ディカーニカきんごうやわ ぜんぺん

03 ソロチンツイの定期市

03 ソロチンツイのヤールマルカ

書き出し

家のなかにゐるのは退屈だ。ああ、誰か外へつれだしてお呉れ娘つ子があそび戯れ若い衆がうろつきまはる賑かな賑かなところへと!——古伝説より——一小露西亜の夏の日の夢心地と、その絢爛さ!鳩羽いろをした果しない蒼空が、エロチックな穹窿となつて大地の上に身をかがめ、眼に見えぬ腕に佳人を抱きしめながら、うつつをぬかしてまどろむかとも思はれる、静けさと酷熱の中に燃える日盛りの、この堪へがたい暑さ!空には散り雲ひ

1 / 0