青空文庫

「とんまの六兵衛」の感想

とんまの六兵衛

とんまのろくべえ

初出:「赤い鳥」赤い鳥社、1925(大正14)年7月

下村千秋11

書き出し

昔、ある村に重吉と六兵衛という二人の少年が住んでいました。二人は子供の時分から大の仲よしで、今まで一度だって喧嘩をしたこともなく口論したことさえありませんでした。しかし奇妙なことには、重吉は目から鼻へ抜けるほどの利口者でしたが、六兵衛は反対に何をやらせても、のろまで馬鹿でした。また重吉の家は村一番の大金持ちでしたが、六兵衛の家は村一番の貧乏でした。それでいて二人が兄弟のように仲がいいのですから、村

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