青空文庫

「晩春」の感想

晩春

ばんしゅん

初出:「明日香」1936(昭和11)年6月号

書き出し

鈴子は、ひとり、帳場に坐って、ぼんやり表通りを眺めていた。晩春の午後の温かさが、まるで湯の中にでも浸っているように体の存在意識を忘却させて魂だけが宙に浮いているように頼り無く感じさせた。その頼り無さの感じが段々強くなると鈴子の胸を気持ち悪く圧え付けて来るので、彼女はわれ知らずふらふらと立ち上って裏の堀の縁へ降りて行った。材木堀が家を南横から東後へと取巻いて、東北地方や樺太あたりから運ばれて来た木材

2019/11/04

19双之川喜41さんの感想

 当時としては 婚期が遅れた女が 鬱々とした気持ちを晴らすために堀に魚を眺めに通う。

2015/10/25

4c60046db05eさんの感想

いつの時代も変わらないもどかしさや葛藤と共に、当時を映し出す片鱗が垣間見える。胸にぐっとせまるものがありました。

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