青空文庫

「莢豌豆の虫」の感想

莢豌豆の虫

さやえんどうのむし

初出:「釣趣戯書」三省堂、1942(昭和17)年

書き出し

山女魚は貪食の魚で、昆虫とかその幼虫とか、魚類の卵、みみずなど、この魚の好んで食う餌は、殆ど数えることができないほど多い。けれど、この魚を釣るには、一方ならぬ苦労を重ねるのだ。先年、利根川の支流、片品川の奥へ山女魚釣りに行ったことがあった。片品川の上流は、戸倉で鳩待峠の方から流れてくる笠科川を合わせるのだが、合流点から上流は両岸が切り立っていて、峡が深い。山女魚と岩魚と同じに棲んで、数が多いのであ

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