ゆきしろやまめ
書き出し
一奥山の仙水に、山女魚を釣るほんとうの季節がきた。早春、崖の南側の陽だまりに、蕗の薹が立つ頃になると、渓間の佳饌山女魚は、俄に食趣をそそるのである。その濃淡な味感を想うとき、嗜欲の情そぞろに起こって、我が肉虜おのずから肥ゆるを覚えるのである。けれど、この清冷肌に徹する流水に泳ぐ山女魚の鮮脂を賞喫する道楽は、深渓を探る釣り人にばかり恵まれた奢りであろう。水際の猫楊の花が鵞毛のように水上を飛ぶ風景と、…
8eb05d040692さんの感想
渓流釣りのガイド本