茶話
ちゃばなし
08 大正十五(一九二六)年
08 たいしょうじゅうご(せんきゅうひゃくにじゅうろく)ねん
初出:「苦楽」1926(大正15)年9月1日
薄田泣菫約12分
書き出し
堪忍といふ事9・1苦楽むかし、ある物識りが、明盲の男を戒めて、すべて広い世間の交際は、自分の一量見をがむしやらに立てようとしてはいけない、相身互ひの世の中だから、何事にも、「堪忍」の二字を忘れてはならぬと話したことがありました。すると、明盲の男は不思議さうに頭をかしげて、「お言葉ですが、堪忍の二字とおつしやるのは何かの間違ひではございますまいか。『かんにん』と申すと、丁度四字になるやうで……」と、…
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