青空文庫

「万物の声と詩人」の感想

万物の声と詩人

ばんぶつのこえとしじん

初出:「評論 十四號」女學雜誌社、1893(明治26)年10月7日

北村透谷10

書き出し

万物自から声あり。万物自から声あれば自から又た楽調あり。蚯蚓は動物の中に於て醜にして且つ拙なるものなり。然れども夜深々窓に当りて断続の音を聆く時は、人をして造化の生物を理する妙機の驚ろくべきものあるを悟らしむ。自然は不調和の中に調和を置けり。悲哀の中に欣悦を置けり。欣悦の裡に悲哀を置けり。運命は人を脅かすなり、而して人を駆つて怯懦卑劣なる行為をなさしむるなり。情慾は人を誘ふなり、而して人を率ゐて我

2024/05/01

19双之川喜41さんの感想

 透谷は 万物 おのずから 声あれば おのずから また 楽調ありと 見立てる。万物の声を 汲み取って 世に 知らしめるのが 詩人の 使命であると 力説するのである。やや 強引に 対立構造を 図式化する 難は 無いでも ないけど 大局の 見地を 示唆して 情熱を 注ぐと 想った。 

1 / 0