いかずちだんぎ
初出:「東京朝日新聞」1937(昭和12)年8月25~27日
書き出し
一雷のことをイカヅチと云つて、古事記にも大雷、黒雷等とあるが私は嘗てイカヅチは厳槌で、巨大な槌といふ語原だらうと思ひ、上代人が、彼の響きを巨大な槌を以て続けさまに物を打つと考へたその心理を想像したのであつたが、それは素人的な理窟で、実は間違つて居た。『名の意は厳なり。豆は例の之に通ふ助辞、知は美称なり』(古事記伝)とあるごとく、厳之神、厳之霊といふ意に落付く語原であつた。もつとも、東雅引用の文を見…