青空文庫

「馬」の感想

うま

初出:「新潮」1932(昭和7)年8月号

書き出し

伝平は子供の頃から馬が好きだった。「お父う!俺家でも馬一匹飼わねえが?どんなのでもいいがら。」伝平はそう口癖のように言うのだった。「馬か?濠洲産の駒馬でもなあ。早ぐ汝が稼ぐようになって飼うさ。」父親はいつもそう言うだけであった。「馬一匹飼って置くといいぞ。堆肥はどっさり採れるし、物を運ぶのにも楽だし……」「そんなごとは汝に言われねえでも知ってる。併し、馬飼うのにあ、馬小屋からして心配しなくちゃなん

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