あられふる
初出:「太陽」1912(大正元)年11月号
書き出し
一若いのと、少し年の上なると……此の二人の婦人は、民也のためには宿世からの縁と見える。ふとした時、思ひも懸けない處へ、夢のやうに姿を露はす——こゝで、夢のやうに、と云ふものの、實際は其が夢だつた事もないではない。けれども、夢の方は、又……と思ふだけで、取り留めもなく、すぐに陽炎の亂るゝ如く、記憶の裡から亂れて行く。しかし目前、歴然と其の二人を見たのは、何時に成つても忘れぬ。峰を視めて、山の端…
二た面
運命論者
南蛮寺門前
阿波のケンさん36さんの感想
大正元年の作品だがその頃は夜は今より暗かった、雪、霰もよく降った。自然が人間を圧倒していた。人の寿命も短かった。怖い話がよく似合った。