だんのうらのおにび
初出:「赤い鳥」赤い鳥社、1927(昭和2)年6月号
書き出し
一天下の勢力を一門にあつめて、いばっていた平家も、とうとう源氏のためにほろぼされて、安徳天皇を奉じて、壇ノ浦のもくずときえてからというもの、この壇ノ浦いったいには、いろいろのふしぎなことがおこり、奇怪なものが、あらわれるようになりました。海岸に、はいまわっているかにで、そのこうらが、いかにもうらみをのんだ無念そうなひとの顔の形をしたものが、ぞろぞろとでるようになりました。これは戦いにやぶれて、海の…