青空文庫

「壇ノ浦の鬼火」の感想

壇ノ浦の鬼火

だんのうらのおにび

初出:「赤い鳥」赤い鳥社、1927(昭和2)年6月号

下村千秋22

書き出し

一天下の勢力を一門にあつめて、いばっていた平家も、とうとう源氏のためにほろぼされて、安徳天皇を奉じて、壇ノ浦のもくずときえてからというもの、この壇ノ浦いったいには、いろいろのふしぎなことがおこり、奇怪なものが、あらわれるようになりました。海岸に、はいまわっているかにで、そのこうらが、いかにもうらみをのんだ無念そうなひとの顔の形をしたものが、ぞろぞろとでるようになりました。これは戦いにやぶれて、海の

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