青空文庫

「龍土会の記」の感想

龍土会の記

りゅうどかいのき

初出:「文章世界」1915(大正4)年4月

蒲原有明21

書き出し

龍土會といつても誰も知る人のないぐらゐに、いつしか影も形もひそめてしまつてゐる。そのやうに會はたとへ消滅したものであるにしても、會員であつた人々は殘つてゐなくてはならないが、さて自分が會員であつたと名のりを揚げる特志者はまづ無いといつてよいだらう。然しどうやら會合のやうなものが存在して、そこへ最初から出席した二三のものには、今日でもなほ幾許かの追懷の情が殘つてゐるはずである。その龍土會が實は終末期

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