げっこうのした
書き出し
空には清光のある夏の月が出て、その光に染められた海は広びろと蒼白い拡がりを持って静かに湛え、数日前大海嘯を起して、数万の人畜の生命を奪った恐ろしい海とは見えなかった。そこは陸中の某海岸であった。一人の壮い漁師は沙丘の上に立って、悲しそうな眼をして海のほうを見おろしていた。漁師は同棲したばかりの女房を海嘯のためにさらわれた者であった。双方で思い合って男の方では親が不承知を唱え、女の方でも親類から故障…
8eb05d040692さんの感想
悲しい怪談話