にんぎょうものがたり
書き出し
古道具屋の大井金五郎は、古道具の入った大きな風呂敷包を背にして金町の家へ帰って来た。金五郎は三河島蓮田の古道具屋小林文平の立場へ往って、古い偶形を買って来た処であった。門口の狭い店にはもう電灯が点いて、女房は穴倉の奥のような座敷で夕飯の準備をしていた。「帰ったのですか、寒かったでしょう」「平生だったら、寒いだろうが、今日は寒くねえのだ」女房は金五郎の活活した顔を見た。「どうしたの、今日は痴に景気が…
9741e0063ebbさんの感想
所詮人形は物なのだが、出来のいい人形に、人は魂や生命を思い入れてしまう。 それは、人形を見るその人の生き方が反映されるのかも知れない。