青空文庫

「山を越えて」の感想

山を越えて

やまをこえて

初出:「太陽 第三十三巻第四号」博文館、1927(昭和2)年4月1日

牧野信一35

書き出し

一彼女等の夫々の父親からの依頼で二人の娘をそちらへおくることになつたから、彼女等を夫々オフイスの一員に加へて貰ひたい、詳しいことは当人達からきいての上で、山の見学を望んでゐる二人の幼い学生達に能ふだけの満足を与へて欲しい——。滝は、暖炉の傍で、父親からの英字タイプで打つたそんな意味の手紙を読んで軽い迷惑を感じた。その頃彼の自家で主になつて経営してゐた或る山奥の作業場なのだつたが、滝は、「籠る覚悟」

2022/02/14

19双之川喜41さんの感想

 山奥で 隠遁生活のようなことを始めた男のもとに 若い女がふたり 転がり込んでくる。 シヨウペンハウエルの本を 翻読したりして 世捨て人を気取っていた 高尚な 決意はぐらつく。 樵(きこり)の生活感が よく表れてはいると 感じた。

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