青空文庫

「処女の純潔を論ず」の感想

処女の純潔を論ず

おとめのじゅんけつをろんず

(富山洞伏姫の一例の観察)

(とやまのほらふせひめのいちれいのかんさつ)

初出:「白表女学雑誌」1892(明治25)年10月8日

北村透谷16

書き出し

天地愛好すべき者多し、而して尤も愛好すべきは処女の純潔なるかな。もし黄金、瑠璃、真珠を尊としとせば、処女の純潔は人界に於ける黄金、瑠璃、真珠なり。もし人生を汚濁穢染の土とせば、処女の純潔は燈明の暗牢に向ふが如しと言はむ、もし世路を荊棘の埋むところとせば、処女の純潔は無害無痍にして荊中に点ずる百合花とや言はむ、われ語を極めて我が愛好するものを嘉賞せんとすれども、人間の言語恐らくは此至宝を形容し尽くす

1 / 0