こうぼうのねことにわとり
初出:「赤い鳥」1926(大正15)年2月
書き出し
一幸坊のうちは、ゐなかの百姓でしたから、鶏を飼つてゐました。そのうちに、をんどりはもう六年もゐるので、鶏としては、たいへんおぢいさんのはずですが、どういふものか、この鳥にかぎつて、わか/\しくしてゐました。まつ白な羽はいつも生えたてのやうに、つや/\して、とさかは赤いカンナの花のやうにまつ赤で、くちばしや足は、バタのやうに黄いろでした。幸坊が餌をもつていくと、このをんどりがまつ先きにかけて来ます。…