青空文庫

「海坊主の話」の感想

海坊主の話

うみぼうずのはなし

土田耕平13

書き出し

私は子供の時分のことを思ひおこす時、何よりもさきに髯の爺のすがたが目に浮んで来ます。ふさ/\とした長い髯を生してゐましたところから、私は髯のぢい、髯のぢいと呼びなれましたが、今考へて見ますと、ぢいはその頃まだ五十にはなつてゐなかつたはずであります。その長い髯と、眠つてゐるやうな細い目と、皺のよつた顔とが、ぢいをいかにも年よりらしく見せました。髯のぢいは、朝に夕に私の家へたづねて来ました。庭向きの縁

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