青空文庫

「耳」の感想

みみ

初出:「少国民文学」東宛書房、1943(昭和18)年5月

新美南吉19

書き出し

一ある晩、久助君は風呂にはいつてゐた。晩といつても、田舎で風呂にはいるのは暗くなつてからである。風呂といつても、田舎の風呂は、五右衛門風呂といふ、ひとりしかはいれない桶のやうな風呂である。久助君は、つまらなさうに、じやばじやばと音をさせてはいつてゐた。風呂の中でハモニカを吹くことと歌をうたふことは、このあひだおとうさんから、かたく禁じられてしまつたのである。「風呂の中でハモニカを吹いたり、鼻歌をう

2020/11/16

19双之川喜41さんの感想

 いままで もちもちした耳を 黙って触らせてくれた 遊び友達が 急に「いやだよ」と 言うようになった。 久助は きっぱりと 意見を言う大切さを学んだ。 日本が 米▫英と開戦した頃のことである。 静かに 時代の影を写し込んでいる。心にしみると感じた。

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