青空文庫

「春秋座の「父帰る」」の感想

春秋座の「父帰る」

しゅんじゅうざの「ちちかえる」

初出:「演劇新潮 第一年第四号」1924(大正13)年4月1日

書き出し

春秋座の「父帰る」岸田國士菊池氏の作品を実際舞台の上で見るのは、「忠直卿行状記」の脚色されたものを除いて、今度、本郷座にかゝつてゐる「浦の苫屋」と、それから、明治座の「父帰る」がはじめてである。「父帰る」は菊池氏の傑作らしい。菊池氏の傑作であるのみならず、現代日本の生んだ世界的名作であると云ふ人もある。私は、今日まで常にさうであつたやうに、偉大な作品に対する敬意と期待とを以て、静かに幕が明くのを待

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