青空文庫

「リズムの構造」の感想

リズムの構造

リズムのこうぞう

初出:「美・批評」1932(昭和7)年9月号

中井正一20

書き出し

1『レ・ミゼラブル』の中に次のような一節がある。「もはや希望がなくなったところには、ただ歌だけが残るという。マルタ島の海では、一つの漕刑船が近づく時、櫂の音が聞える前にまず歌の声が聞えていた。シャートレの地牢を通って来た憐れな密猟者スユルヴァンサンは『私を支えてくれたものは韻律である』と告げている。」詩が有用か無用か、それは論ずるにまかせて、それがこうした涙の中に事実存在しつづけたことに対して、私

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