青空文庫

「俺の記」の感想

俺の記

おれのき

尾崎放哉53

書き出し

俺には名前がない、但し人間が付けてくれたのは有るが、其れを云ふのは暫く差控へて置かう。だが、何も恥かしいので云はぬと云ふわけでは毛頭ない。云ひにくいから云はないのだ。外になんにも理窟はない、冬になれば雪が降る、夜になれば暗くなる、腹が減つたら食ふのだ、一体、理窟と云ふ物も、あとから無理に拵へてクツ付けるので、なす事、する事、始めから一一理窟で割り出して来る物ではない。余計な事は抜きとして、処で、俺

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