しゅんかん
初出:「新小説」1919(大正8)年12月
書き出し
人法勝寺執行俊寛丹波少将成経平判官康頼有王(俊寛の昔の家僮)漁夫(男、女、童子ら数人)丹左衛門尉基康(清盛の使者)その従者数人船頭数人時平氏全盛時代所鬼界が島第一幕鬼界が島の海岸。荒涼とした砂浜。ところどころに芦荻など乏しく生ゆ。向こうは渺茫たる薩摩潟。左手はるかに峡湾をへだてて空際に硫黄が嶽そびゆ。頂より煙をふく。ところどころの巌角に波砕け散る。秋。成経浜辺に立って海のかなたを見ている。康頼岩の…