青空文庫

「自警録」の感想

自警録

じけいろく

書き出し

芭蕉無耳聞雷開葵花無眼随日転そめ色の山もなき世におのづから柳はみどり花はくれなゐ序とかく道徳とか仁義とかいえば、高尚遠大にして、通常人の及ばざるところ、たまたま及ぶことあれば、生涯に一度か二度あって、専門的に修むる者にあらざれば、単に茶話の料か、講義の題として聞くもののごとく思い流すの懼がある。もちろん道徳の思想は高尚、その道理は遠大であろう。しかしその効用と目的は日々の言行に現すほど、吾人の意識

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