青空文庫

「良友悪友」の感想

良友悪友

りょうゆうあくゆう

初出:「文章世界」1919(大正8)年10月

久米正雄29

書き出し

「失恋が、失恋のまゝで尾を曳いてゐる中は、悲しくても、苦しくても、口惜しくつても、心に張りがあるからまだよかつた。が、かうして、忘れよう/\と努力して、それを忘れて了つたら、却つてどうにも出来ない空虚が、俺の心に出来て了つた。実際此の失恋でもない、況んや得恋でもない、謂はゞ無恋の心もちが、一番悲惨な心持なんだ。此の落寞たる心持が、俺には堪らなかつたんだ。そして今迄用ゐられてゐた酒も、失恋の忘却剤と

2021/08/21

ハルチロさんの感想

本作品は、大正時代のものようですが、いつの時代にも共通するような人間関係や仲間関係の悩みがあるようです。その人の立場によって、「良友」は「悪友」となり、また「悪友」は「良友」なるのかと思われる次第です。個人的には、作品中の「良友」「悪友」のどちらも「友」であり、主人公のことを思っていることが窺えました。「良友悪友」の両方があって、自己成長ができるのでありましょう。

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