青空文庫

「発掘した美女」の感想

発掘した美女

はっくつしたびじょ

初出:「講談倶楽部 第五巻第四号」1953(昭和28)年11月10日

坂口安吾35

書き出し

恋わずらい梅玉堂は東京で古くから名のある菓子店である。その当主はよくふとっていたが、神経衰弱気味であった。見合をしたのが発病の元であった。むろん初婚ではない。梅玉堂は五十三だ。死んだ先妻には大学生の倅をはじめ三人の子供が残されていた。見合をした女の人も初婚ではなかった。初音サンという人だ。先夫が病死して、子がなかったから、生家に戻っていた。まだ三十であった。すこぶるの美人であった。見合の結果、初音

2020/10/10

19双之川喜41さんの感想

 軽小説である。 安吾が 片仮名を 多用するのは 漢字を思い出せないか 面倒臭いかの どちらかであろう。 再婚を願望する中年男と その息子と 乗り気でない女の 珍道中記である。

2018/09/11

いちにいさんの感想

小説は最初の出だし3行で決まると言っても過言ではない。 「神経衰弱」という言葉がいきなり登場だ。見合いが発病の元、とあれば、凡そ、「ハハン、そういうことか!」とその後の展開が分かる。読むか、読まぬか、の決断となる。軍配は、あと1行あと1行と読み進む。まるでマラソン選手があの電信柱まで走ろう、あと1本、あと1本、と思い42.195kmに辿り着くように。再婚の癖に、恋をしちゃたら病気になりますよ!息子が美人のママじゃなく、美人の年上女房としてオヤジから略奪する、というのもアナザーストーリーで面白いと思った。三角関係も他人同士の家族の場合は近親相関の対象外だから、オヤジと結婚したママが息子と不倫でも面白い。

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