ジャン・クリストフ
13 後記
13 こうき
書き出し
訳者改訳の筆を擱くに当たって、私は最初読者になした約束を果たさなければならない。すなわち、ロマン・ローラン全集版の「ジャン・クリストフ」についている作者の緒言の翻訳である。この全集決定版は、私が改訳に使用した改訂版とは、一冊につき数か所、文意に関係ない程度において、字句の微細な差異がある。しかしそれはおもに文章上のことであって、またあるところなどは、改訂版のほうが妥当とさえも思える。それゆえ私は、…