ジャン・クリストフ
08 第六巻 アントアネット
08 だいろっかん アントアネット
書き出し
母に捧ぐジャンナン家は、数世紀来田舎の一地方に定住して、少しも外来の混血を受けないでいる、フランスの古い家族の一つだった。そういう家族は、社会に種々の変化が襲来したにもかかわらず、フランスには思いのほかたくさんある。彼らは自分でも知らない多くの深い関係で、その土地に結びつけられているのであって、一大変動がない以上は、そこから彼らを引き抜くことはできない。彼らのそういう執着には、なんらの理由もないし…