とくしゅぶらくのはんざい
初出:「新小説」1922(大正11)年2月
書き出し
一「久七、お前が好きな物持って来ただよ。」晴々しい若い声と共に、表の戸ががらりと引開けられた。とっつきの狭い土間、それから六畳ばかりの室、その室の片隅に、ぼろぼろの布団の上へ、更に二枚の蓆をかけて寝ていたのを、むっくり上半身だけ起してみると、引開けられた四角な明るみから、つるが飛び込んで来た。眼をぱちくりやってると、鼻先へ徳利をつき突けられた。「何だかあててみろう。」揺る度びにどぶりどぶりと重い液…
b86b7f708c75さんの感想
非常に感覚的で、読んでいると映画や舞台を見ている錯覚になる。