たまつきばのいちぐう
初出:「新小説」1916(大正5)年2月
書き出し
一夕方降り出した雨はその晩遅くまで続いた。しとしととした淋しい雨だった。丁度十時頃その軽い雨音が止んだ時、会社員らしい四人達れの客は慌しそうに帰っていった。そして後には三人の学生とゲーム取りの女とが残った。室の中には濁った空気がどんよりと静まっていた。何だか疲れきったような空気がその中に在った。二つの球台の上には赤と白と四つの象牙球が、それでも瓦斯の光りを受けて美しく輝いていた。そして窓から、外の…
19双之川喜41さんの感想
出来事らしい 出来事は起きないので 純文学かな とチラリと思ったけど それにしては 些か 詩情にかけるのが難点で ないものねだりをしてはいけないと 得心することにした。