かいがらついほう
006 「八千代集」を読む
006 「やちよしゅう」をよむ
初出:「三田文學」1918(大正7)年5月号
書き出し
岡田夫人から「八千代集」を頂いた。ひと昔前の事、自分がまだ中學の時代に、如何いふ心持で讀んだのか忘れてしまつたが、小山内薫氏の「夢見草」と、小山内八千代さんの「門の草」といふ文集を、常に机の上に置く十數册の詩歌集と一緒に並べて持つてゐた。ヲサナイと呼ぶ事を知らずにコヤマウチだと思つてゐた。小山内氏兄妹が、泉鏡花先生の作品の愛讀者であり且研究者だといふ事を、ある雜誌で承知して、その爲に買つた二册だつ…