青空文庫

「太郎坊」の感想

太郎坊

たろうぼう

幸田露伴25
下町風土労働者の苦悩家族不和叙情的懐古静謐

書き出し

見るさえまばゆかった雲の峰は風に吹き崩されて夕方の空が青みわたると、真夏とはいいながらお日様の傾くに連れてさすがに凌ぎよくなる。やがて五日頃の月は葉桜の繁みから薄く光って見える、その下を蝙蝠が得たり顔にひらひらとかなたこなたへ飛んでいる。主人は甲斐甲斐しくはだし尻端折で庭に下り立って、蝉も雀も濡れよとばかりに打水をしている。丈夫づくりの薄禿の男ではあるが、その余念のない顔付はおだやかな波を額に湛え

2023/04/05

阿波のケンさんさんの感想

5月の心地よい風が吹き抜ける感じかな、感動した。火付け盗賊改方の長谷川平蔵夫婦を思い出すな~。

2023/04/04

3806a1950611さんの感想

大豆田とわ子の一人目の旦那が「感情には部屋がある」的なこと言ってたのを思い出しました。奥さんへの感情と当時好きだった女性への感情は、心の中にある別々の部屋に存在していて、それぞれ優劣のつけられないものなんだと思います。久しぶりに読みましたが、色褪せない大好きな作品です。

2020/10/07

19双之川喜41さんの感想

 題の意味は、猪口である。 取り落として 割ってしまった盃をめぐる 想い出を 妻に語る。 古き良き時代の 庭に 打ち水をした後の 晩酌を 活写する。双75

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