まえがき(『真実に生きた女性たち』)
まえがき(『しんじつにいきたじょせいたち』)
初出:「真実に生きた女性たち」創生社、1946(昭和21)年10月
宮本百合子約5分
歴史的背景科学的手法自己認識芸術家描写厳粛回顧的希望
書き出し
ここに、四人の婦人の物語がある。何年も前に書かれたこれらの物語をきょう、くりかえし読んでみて、深く深く心を動かされることは、人間社会の歴史は、何とたゆむことなく前進しているであろうか、ということである。そして、生活は、何と堂々たる偽り得ないものであろうか、ということである。四人の女性の一人一人の生きた姿は、歴史の鏡となって、私たちに偉大であった十九世紀と、更に経験によって聰明になろうとしている現世…
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