青空文庫

「明治のランプ」の感想

明治のランプ

めいじのランプ

初出:「政界往来」1939(昭和14)年7月号

回顧的懐古歴史的背景叙情的静謐

書き出し

母かたの祖母も父かたの祖母も長命な人たちであった。いずれも九十歳近くまで存生であったから、総領の孫娘である私は二人のおばあさんから、よく様々の昔話をきいた。母方の祖父も父方の祖父も、私が三つぐらいのとき既に没して、いずれも顔さえ覚えていない。二人の祖母たちは、それぞれ祖父とともに波瀾の多い維新から明治への生活のうつり変りを経験したのであるが、父かたの祖父は米沢藩で、後には役人をして晩年福島県の開成

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